The Strokes(ザ・ストロークス)を知ったのは、上京したぐらいだった。
当時は、自分のバンドでレコーディングや全国ツアーを回ったりと音楽で飯を食べる事に必死だった頃だったと思う。
ツアー中の機材車が、もともと自分名義だったのもあってよく運転してた。
そんな運転の時によくFMラジオを聴きてて、そんな時にザ・ストロークスが流れてきたと思うんだけど、シンプルなロックだけどカッコいいってのが最初の印象だった。
移動中にラジオで知らない音楽を見つけるのが好きだったのもあるんだけど、他バンドメンバーはあまりラジオが好きじゃなかったみたいでよく「ラジオ消して」って言われたけど、自分達が運転する時は爆音でハードコアとか聴いてるんだよ(笑)
そんな感じでザ・ストロークスの名前だけを覚えて、早速レコード屋へ寄って買って聴いてた。
ガレージ・ロックとかロックンロール・リバイバルとか言われてるけど、そんなジャンルじゃなくて素直にカッコイイって思って買ったんだよね。
ザ・ストロークスの音楽は、必要最低限の演奏で余計な音がない。
ギターもベースもフレーズがシンプルで、それにシンプルなビートのドラムで全く派手なソロなんてないんだよね。
そんなザ・ストロークスは、足し算じゃなくて引き算するって事を気づかされた感じだった!
最初聴いた印象でUKだと思ってたんだけど、アメリカだったんでちょっとびっくりしたな。
当時のアメリカだと西海岸のパンクなんか流行ってた印象が強かったんだけど、アメリカにもこんなバンド居るんだって。
ロックとはいえ自分のバンドと全く違ったアプローチに、それまでのドラムスタイルに変化を与えるキッカケにもなった。
ザ・ストロークスのドラムのファブリツィオ・モレッティは、ハイハットとライドしかシンバルを使ってなかったんで当時真似てみようってなったんだけど、バンドメンバーにどうしてもクラッシュシンバルは付けてほしいって言われて断念したんだった。もともとクラッシュ有りだったのを無くすってなるとパンチも無くなるから仕方ないわけで。
その代わりに髪型を真似てパーマヘアーにしたら「その髪型はロックじゃねぇ~」って言われたっけ(笑)
自分ではイケてるって思ってたんだけど…
今思うと60~70年代のロックでパーマヘアーしてる人多いんだよね。ジミヘンとかジミーペイジだってパーマだったし。
自分の場合は、否定せず何でも受け入れちゃうタイプだから違和感がなかったんだけど、人それぞれでロックの定義が違うってのもあるわけで。
そんな思い出もありつつ。
そんなザ・ストロークスが、少し年下だって事も当時知らなかった。
ザ・ストロークスは、上手いかって言われたら上手くないんだけど、そこじゃないんだよね。
下手カッコイイっていうのかな。
ザ・ストロークスの音楽を表現出来てるからこそ、心打たれたわけなんですよね。
まさにシンプル・イズ・ベストという言葉が似合うバンドだと思います。
それでは、また!
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