【40代ロック親父へ告ぐ】King Gnuという「バンド」を食わず嫌いしていないか? 奴らこそが現代のビートルズでありパンクだ。

【40代ロック親父へ告ぐ】King Gnuという「バンド」を食わず嫌いしていないか? 奴らこそが現代のビートルズでありパンクだ。 COLUMN

よぉ、兄弟。
今日もいいレコード、回してるか?

俺たちの世代にとって「バンド」ってのは特別だよな。
ギター、ベース、ドラム、そしてボーカル。この最小単位の編成で、世界を変えられると本気で信じていた。
だが、最近のヒットチャートを見てこう思っていないか?
「音が軽すぎる」「パソコンで作ったような音ばかりだ」「ロックバンドは死んだのか」と。

そんなアンタにこそ、俺はKing Gnuを薦めたい。
あいつらは、俺たちが愛した「ロックバンドの美学」を完璧に継承しつつ、それを最先端の武器で武装した、とんでもない「ならず者集団」だ。

今日は、なぜ俺たちオヤジ世代が今、King Gnuに熱狂すべきなのか。
その理由を、ロックへの偏愛と少しばかりの嫉妬を込めて語り尽くす。長くなるが、付き合ってくれ。

1. 「東京藝術大学」という看板をドブに捨てたパンク精神

まず、あいつらの経歴について触れないわけにはいかない。
知っている奴も多いだろうが、リーダーの常田大希(Gt/Vo)をはじめ、井口理(Vo/Key)らは東京藝術大学の出身だ。
いわゆる、音楽のエリート中のエリートだ。

「なんだ、お勉強のできる優等生バンドかよ」と鼻白んだアンタ。
そこが最大のトラップだ。

あいつらは、アカデミックな教育を受け、クラシックや現代音楽の理論を極めた上で、それを「ぶち壊す」ためにロックをやっている。
これって、誰かに似ていないか?
そう、かつてのプログレッシブ・ロックの巨人たちや、理論武装してパンクを鳴らしたバンドたちと同じ匂いがするんだ。

彼らの音楽には、クラシックの緻密な構築美がある。だが、鳴らしている音は、路地裏の汚れたコンクリートのような「ノイズ」と「歪み」だ。
エリート街道を歩めるはずの人間が、あえて泥臭いロックバンドという道を選び、大音量で叫んでいる。
この「持てる者の暴動」みたいなアティチュードこそが、最高にパンクじゃないか。

俺たちが若い頃、クラッシュやピストルズに感じた「既成概念への反抗」。
King Gnuは、それを「圧倒的な音楽的教養」という武器を持ってやってのけている。
偏差値の高い不良。一番タチが悪くて、一番カッコいいパターンだ。

2. 俺たちのDNAに刻まれた「ミクスチャーロック」の正統進化

90年代から00年代初頭、俺たちは「ミクスチャーロック」の洗礼を受けた。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、あるいは国内ならDragon Ash。
ロック、ヒップホップ、ファンク、ジャズをごちゃ混ぜにしたあのクロスオーバーなサウンド。

King Gnuが掲げるコンセプトは「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」だ。
この言葉に嘘はない。
あいつらの曲を聴くと、様々なジャンルが溶け合っているのがわかる。

例えば、代表曲の一つ『一途』を聴いてみてくれ。
あの攻撃的なギターリフ。まるで初期のアークティック・モンキーズか、あるいはガレージロック・リバイバルのような疾走感だ。
かと思えば、『Vinyl』のような曲では、ブラックミュージック特有の「横ノリ」のグルーヴが支配する。
ジャズの洒落たコード進行の上で、歌謡曲のような泥臭いメロディが乗る。

オヤジ世代にとって、この感覚はたまらないはずだ。
「おっ、このリフはツェッペリンっぽいな」「このリズムのタメはディアンジェロか?」なんて、元ネタやルーツを探る楽しみがある。
だが、それは単なる懐古趣味のコピーじゃない。
全てのジャンルを飲み込んで、消化し、「King Gnu」という新しいジャンルとして吐き出している。
この編集能力の高さとセンスは、間違いなく世界レベルだ。

3. 常田大希という「久しぶりのギターヒーロー」

バンドの核である常田大希。
俺はこの男を見て、久しぶりに「カリスマ」という言葉を思い出した。

最近のバンドマンは、みんな行儀がいい。
SNSでファンに媚びて、清潔感のある服を着て、優等生ぶっている奴が多い。(それはそれでいいんだが、俺たちには物足りないよな?)

だが常田を見てみろ。
アディダスのジャージをボロボロに着こなし、無精髭を生やし、ステージでは拡声器を持って叫ぶ。
その姿は、カート・コバーンのようでもあり、ジョー・ストラマーのようでもあり、あるいは日本のロックレジェンド、hideのような華もある。

そして何より、ギターがうるさい(最高の褒め言葉だ)。
あいつのギタープレイは、テクニックはもちろん凄いが、それ以上に「音作り」がエグい。
ファズ(歪み)を深くかけた、空間を切り裂くような轟音。
今のJ-POPシーンで、あそこまで凶暴なギターサウンドをメジャーのど真ん中で鳴らしている奴は他にいない。

彼が弾くギターソロは、速弾きをひけらかすスポーツじゃない。
感情を音に変えてぶつける、ブルースそのものだ。
40代の俺たちが憧れた「ギターヒーロー」の姿が、そこにあるんだよ。

4. 「天使と悪魔」ツインボーカルの奇跡

King Gnuの最大の特徴、それはツインボーカルだ。
常田大希の低くしゃがれた、攻撃的なラップとボーカル。
そして、井口理の透き通るようなハイトーンボイス。

この二人の対比が、King Gnuというバンドに強烈なドラマを生んでいる。
ロックバンドにおいて、声質の違う二人のボーカリストがいることの強みは、ビートルズ(ジョンとポール)やオアシス(リアムとノエル)で証明済みだよな。

井口の声は、あまりにも美しく、どこか昭和の歌謡曲やフォークソングに通じる「哀愁」がある。
彼が歌うバラードは、ロックを知らないお茶の間層にまで届くポップさを持っている。
だが、そこに常田の「悪魔的」な歪んだ声が絡んでくることで、曲が一気にロックの混沌へと引きずり込まれる。

「美しさ」と「汚さ」。
「聖」と「俗」。
「ポップ」と「アングラ」。

この相反する要素が、一曲の中で激しくぶつかり合い、火花を散らす。
その緊張感(テンション)こそがロックだろ?
予定調和な曲なんてクソ食らえだ。King Gnuの曲には、常に「何が起こるかわからない」スリルがある。

5. リズム隊という名の「心臓部」がエグい

バンドを語る上で、リズム隊を無視するわけにはいかない。
ベーシストの新井和輝と、ドラマーの勢喜遊。
この二人がいなければ、King Gnuの音は成立しない。

新井のベースは、ブラックミュージックの極太のグルーヴを支えている。
エレキベースだけでなく、シンセベース(鍵盤)も操り、現代的なビートを作り出す。
かつて亀田誠治が「日本のベーシストのレベルを一気に引き上げた」と言われたように、新井もまた、次世代のスタンダードを作っている男だ。

そして、勢喜のドラム。
あいつの叩き方は、一見するとヒップホップやR&Bのサンプリングビートのように正確だ。
だが、ライブで見せる爆発力は、ボンゾ(ジョン・ボーナム)やキース・ムーンを彷彿とさせる野生味がある。

この二人が叩き出すリズムは、とにかく「腰に来る」
頭で理解する前に、身体が勝手に動いちまうんだ。
40代になると、ただ速いだけのビートには疲れるだろう?
だが、King Gnuのビートには、大人の身体を揺らす「艶」と「重み」がある。
これを一流のジャズミュージシャンのように涼しい顔で演奏してるんだから、恐ろしいもんだぜ。

6. スタジアムを「ライブハウス」に変える熱量

最後に、あいつらのライブ(現場)について触れておこう。
最近の彼らは、東京ドームや日産スタジアムといった巨大な会場でライブを行っている。
だが、あいつらのパフォーマンスは、数万人相手だろうが、まるで狭い地下のライブハウスで演奏しているような熱気がある。

照明、映像、演出。すべてが一流のアート作品のようだが、中心にあるのは「4人の男たちが音を鳴らす」という原始的なエネルギーだ。
同期演奏(打ち込み)も使うが、根底にあるのは生身の人間がぶつかり合うグルーヴだ。

俺が特に痺れたのは、彼らが大勢の客に向かって
「King Gnu、始めます」
と静かに宣言し、一音目を鳴らした瞬間の空気の変化だ。
巨大なスタジアムの空気が、一瞬で張り詰め、爆音と共に解放される。
あのカタルシスは、U2やローリング・ストーンズのライブで味わった感覚に近い。

彼らは「日本で一番売れているバンド」という重圧を背負いながらも、ステージ上では楽しそうに、そして獰猛に楽器を弾き倒している。
「世界に行く」と公言し、実際に海外へ打って出るその姿勢。
鎖国的な日本の音楽シーンに風穴を開けようとする野心。
応援せずにはいられないだろう?


最後に:ロックは死んでない、ここにある

どうだ兄弟。
少しはKing Gnuを聴いてみる気になったか?

もし、「どれから聴けばいいかわからん」というなら、アルバム『CEREMONY』から入るのが無難だ。
だが、俺たちのようなロック中毒者には、
『Sympa』
あたりの尖った時期の音もオススメしたい。
あるいは、最新のシングルで彼らがどう進化しているかを確認するのもいいだろう。

「最近の音楽は…」なんて愚痴をこぼすのは、もうやめにしようぜ。
俺たちが愛したロックの遺伝子は、間違いなくKing Gnuの中に生きている。
しかも、現代の最強の装備を纏ってな。

食わず嫌いは損だ。
今夜はバーボンでも用意して、スピーカーのボリュームをいつもより少し上げてくれ。
King Gnuという「バンド」が鳴らす轟音が、アンタの錆びついたロック魂に火をつけてくれるはずだ。

ロックは死んでない。
形を変え、進化し、東京の混沌の中で、今も確かに鳴り響いているんだ。

じゃあ、またライブハウス(あるいはドーム)で会おうぜ。
Stay Rock.

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