よぉ、兄弟。
今日もいい音、聴いてるか?
俺たちが愛する「ロック」ってのは、単に歪んだギターが鳴っているジャンルのことじゃないよな。
初期衝動、反骨精神、そしてステージ上で汗だくになって命を燃やす生き様。それがロックだろ?
もしアンタが、「スカパラ?ああ、テレビでよく見るスーツのおじさんたちでしょ?お洒落で楽しげな音楽だよね」なんて認識で止まっているなら、ハッキリ言っておく。
アンタは、人生の楽しみを半分ドブに捨てている。
奴らは「スカ」というリズムを武器にした、紛れもない最強のロックバンドだ。
今日は、なぜ俺たちロック好きのオヤジが、今こそ「東京スカパラダイスオーケストラ」に痺れるべきなのか。その理由を、少しばかり暑苦しく語らせてくれ。
1. 路上から始まった「東京」の喧嘩稼業
まず、あいつらの出自が最高にロックだ。
今でこそ日本を代表する伊達男たちだが、結成は1980年代後半。バブル景気で浮かれる東京のど真ん中だ。
当時のあいつらが根城にしていたのは、ライブハウスですらない。ストリートだ。
代々木公園やホコ天(歩行者天国)。そこでアンプラグドな管楽器を抱え、発電機を回し、道ゆく人々の鼓膜に直接「東京のスカ」を叩き込んでいたんだ。
想像してみてくれ。
きらびやかなバブルの東京で、揃いのスーツに身を包んだ怪しい集団が、とんでもない爆音で演奏を始める。
それは、行儀の良いコンサートなんかじゃない。「俺たちの音を聴け!」という、東京という巨大都市に対する喧嘩(カチコミ)だったんだよ。
当時のスカパラのライブは、客とバンドの肉弾戦だったという伝説も残っている。
優雅なスカ? 笑わせるな。あいつらの根底にあるのは、セックス・ピストルズやザ・クラッシュが持っていた初期衝動そのものだ。
「東京スカパラダイスオーケストラ」というバンド名に冠された「東京」の二文字は、ただの地名じゃない。
混沌と喧騒、そしてエネルギーの渦巻くこの街を、音で制圧してやるという宣言なんだと俺は思っている。
2. インスト?いや、あれは「歌」だ
「でもよ、歌がないと熱くなれないんだよな」
わかるぜ、その気持ち。俺もボーカルのシャウトに合わせて拳を突き上げるのが大好きだ。
だがな、スカパラの楽器隊をナメちゃいけない。
GAMOのテナーサックスが咆哮し、NARGOのトランペットが空を切り裂き、谷中敦のバリトンサックスが地を這うように唸る。
あいつらの楽器は、そこらの三流ボーカリストよりも遥かに雄弁に「歌って」いるんだ。
特に聴いてほしいのが、あいつらの「裏打ち」の鋭さだ。
スカ特有のリズムだが、スカパラのそれはジャマイカのルーツ・スカとは一味違う。
パンクやオルタナティブ・ロックを通過した、攻撃的でスピード感のある「トーキョー・スカ」だ。
ギターの加藤隆志を見てみろ。
あいつのギタープレイ、そしてステージでのアクション。あれは完全にパンクロッカーのそれだ。
そしてリズム隊。茂木欣一のドラムは、フィッシュマンズ譲りの浮遊感を持ちながら、ロックバンドとしての屋台骨を支える強靭なグルーヴを叩き出す。川上つよしと沖祐市のコンビネーションも鉄壁だ。
あいつらが一斉に音を鳴らした瞬間の音圧(プレッシャー)。
あれはメタリカやモーターヘッドのライブで感じる、「音の壁」に押し潰されそうになる快感と同じ種類のものだ。
歌詞がないからこそ、感情がダイレクトに脳髄に突き刺さる。それがスカパラのインストだ。
3. ロックレジェンドたちが認めた「バンドとしての格」
それでも「歌モノ」が聴きたいというワガママなアンタには、これ突きつけよう。
スカパラが2000年代から始めた「歌モノ」シリーズ。
これに参加したボーカリストの面々を見れば、日本のロック界がどれだけスカパラに敬意を払っているかが一発でわかるはずだ。
おい、ハンカチの用意はいいか?
チバユウスケ(The Birthday / ex. THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)
彼と作り上げた『カナリヤ鳴く空』。
あのしゃがれた声と、凶暴なホーンセクションがぶつかり合った瞬間、日本のロック史に新たな伝説が刻まれた。チバが亡くなった今、あのコラボレーションは俺たちの宝だ。
甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ / ex. THE BLUE HEARTS)
『星降る夜に』での、あの無邪気で切ない歌声。ヒロトがスカパラという「バンド」を信頼しきって、自由に遊んでいる姿に涙が出た奴も多いだろう。
奥田民生、Ken Yokoyama(Hi-STANDARD)、宮本浩次、TAKUMA(10-FEET)…
名前を挙げればキリがない。
これだけの「ロックのカリスマ」たちが、こぞってスカパラと演りたがる。
それはなぜか?
答えはシンプルだ。スカパラが、誰よりもカッコいい「バンド」だからだ。
ボーカリストをただの「ゲスト」として招くのではなく、バンドの一員として迎え入れ、互いの魂をぶつけ合う。
「お前、ロックなんだろ? じゃあ俺たちの音と喧嘩しようぜ」
そんな気概が伝わってくるからこそ、レジェンドたちも本気で挑むんだ。
特にKen Yokoyamaとのコラボなんて、メロコアとスカの完全融合だろ?
パンクキッズだった俺たちが夢見た景色を、あいつらは軽々と見せてくれるんだよ。
4. 世界中のフェスをモッシュピットに変える「現場力」
俺がスカパラを「最強の東京バンド」と呼ぶ最大の理由は、そのライブ(現場)にある。
あいつらは日本国内だけじゃなく、アメリカのコーチェラ、イギリスのグラストンベリー、メキシコの巨大フェスなど、世界中のステージを荒らし回っている。
言葉の通じない海外の客の前で、あいつらは何をすると思う?
お洒落にスイング? 違うね。
「闘うように楽しんでくれ!」 と(谷中さんの名言だ)、圧倒的な熱量で客を煽り倒すんだ。
結果どうなるか。
メキシコの荒くれ者たちが、スカパラの音に合わせて巨大なサークルピットを作り、モッシュし、ダイブする。
そこには国境もジャンルもない。あるのは「最高に楽しい音楽」に身を任せた暴動のような熱狂だけだ。
「東京」という看板を背負って、世界中のロックファンを踊らせ、暴れさせる。
これほど痛快なことがあるか?
海外のロックバンドに引けを取らない、いや、それ以上のパフォーマンスを見せつける「日本のオヤジたち」。
同じ日本人として、同じ男として、誇らしくて震えるぜ。
5. 「ノーボーダー」を体現する、終わらない青春
スカパラのメンバーを見てみろ。
もう結構な歳だぜ? でも、誰よりも楽しそうで、誰よりもガキみたいに目を輝かせて演奏している。
「パラダイス」なんて名前をつけているが、あいつらがいる場所こそが楽園なんだろうな。
ロックってのは、若者だけの特権じゃない。
「好きなことを、死ぬまで貫き通す」
その姿勢こそがロックなんだと、あいつらは背中で(いや、色鮮やかなスーツ姿で)教えてくれる。
ジャンルの壁? 国境の壁? 年齢の壁?
そんなもん、あいつらのスカビートの前では紙切れ同然だ。
「NO BORDER」。スカパラが掲げるこの言葉は、綺麗事じゃない。
30年以上、泥臭くツアーバスを走らせ、世界中で音を鳴らしてきたあいつらだからこそ言える、重みのある真実だ。
最後に:食わず嫌いはやめて、ライブハウスへ行け
どうだ兄弟。
少しはスカパラに対する見方が変わったか?
もしアンタがまだ、「スカは専門外だから」なんて言ってるなら、悪いことは言わない。
次のツアー、あるいはフェスで、騙されたと思ってスカパラのステージを見てくれ。
そこには、アンタが愛するロックの熱狂も、パンクの衝動も、ジャズの即興性も、すべてが詰まっている。
スーツを着た最強の「東京バンド」が、アンタの凝り固まった音楽観をぶち壊してくれるはずだ。
そして、ライブハウスの爆音の中で、汗だくになって叫ぼうぜ。
「We are TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA!!」 ってな。
ロック好きのアンタと、いつかスカパラの最前列で肩を組める日を楽しみにしてるぜ。
それじゃ、また。



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