「ヴィジュアル系」の一言で黒夢を語るな! 奴らが壊した“常識”と、剥き出しのロック魂

「ヴィジュアル系」の一言で黒夢を語るな! 奴らが壊した“常識”と、剥き出しのロック魂 COLUMN
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よう、兄弟たち。

最近の小綺麗にまとまったロックも悪くはねえが、時々、全身の血が沸騰するような、ヤバいロックが聴きたくならねえか?

今日、俺が語りてえのは「黒夢」だ。

若い連中や、ちょっと音楽かじったくらいじゃ「ああ、あのヴィジュアル系のバンドね」なんて一言で片付けちまうかもしれねえ。

だがな、冗談じゃねえ。

奴らは、その「ヴィジュアル系」って型枠を自らの手でブチ壊し、日本のロックシーンのど真ん中に、デカい爪痕を刻み込んだ、唯一無二の存在なんだ。

初期衝動からパンクへの劇的な変貌

1991年に結成され、94年にメジャーデビューした黒夢。 Vo.の清春とBa.の人時。この二人の名前を知らねえロック好きはモグリだろう。デビュー当初の彼らは、たしかに濃いメイクに黒服ってスタイルで、ダークで耽美な世界観を武器にしていた。まさにヴィジュアル系の王道だ。

だが、奴らが本性を現したのはそこからだ。ギタリストの脱退を経て、清春と人時の二人体制になった頃から、黒夢は急激にその姿を変えていく。まず、あれだけ濃かったメイクをあっさりと落とし、ストリート系のファッションに身を包んだ。そして何より、サウンドだ。歌謡曲的なメロディも取り入れたポップな時期を経て、奴らが向かった先は、なんとパンクロックだった。

当時のシーンを知る者なら、あれがどれだけ衝撃的だったかわかるはずだ。ヴィジュアル系バンドが自らその鎧を脱ぎ捨て、最も生々しく、荒々しいパンクサウンドに舵を切ったんだからな。あれは、シーンへの裏切りなんかじゃねえ。自分たちの本能に従った、必然の進化だったんだ。

カリスマ・清春と、黒夢の心臓・人時

黒夢を語る上で、清春という男の存在は絶対だ。あの繊細で中性的なルックスから吐き出される、挑発的で攻撃的な歌詞とシャウト。ステージ上での狂気すら感じさせるパフォーマンス。彼の存在そのものが事件だった。ファッションも多くの若者が真似し、カリスマとして崇められた。

だがな、忘れちゃならねえのが、その横で常に地を這うような重低音を響かせていた、ベースの人時だ。清春の狂気と色気を孕んだボーカルを支え、時には煽るようにうねりまくる彼のベースラインこそが、黒夢サウンドの心臓部だった。あの二人が揃って初めて、「黒夢」という奇跡が生まれるんだ。

全てをブチ壊した名盤『CORKSCREW』

黒夢のヤバさを一番体感できるのが、1998年にリリースされたアルバム『CORKSCREW』だ。聴いたことがねえなら、今すぐ聴け。ぶっ飛ぶぞ。ほとんどの曲が3分以内で終わる、衝動の塊みてえなパンクナンバーの応酬だ。当時のJ-POPシーンの常識なんざクソ喰らえとばかりに、ただひたすら攻撃的に、スピーディーに駆け抜けていく。

「少年」や「Like @ Angel」みたいなヒット曲のイメージしかねえ奴は、度肝を抜かれるはずだ。商業的な成功に媚びることなく、自分たちが鳴らしたい音だけを追求する。これこそがロックバンドの本来あるべき姿じゃねえか?

絶頂期の活動停止、そして伝説へ

しかし、そんな最高のテンションのまま、彼らは1999年1月29日、人気絶頂の中で無期限の活動停止を発表する。俺たちファンにとっては、あまりに突然の出来事だった。

その後、2009年1月29日に日本武道館で一夜限りの復活&解散ライブを行い、一度は完全に終止符を打った。だが、それで終わらないのが黒夢だ。翌2010年にはまさかの再始動を発表。最後のロングツアーを経て、再びその歴史に幕を下ろすことになるんだが、その去り際まで、実に彼ららしい美学に満ちていた。

懐メロじゃ断じてねえ、今も突き刺さる“本物”のロックだ

黒夢は、単なる90年代のヴィジュアル系バンドじゃねえ。時代に媚びず、常に変化を恐れず、自らのロックを貫き通した孤高の存在だ。彼らがシーンに残した傷跡は、今も生々しく、そして美しい。

もし、あんたが最近のロックに何か物足りなさを感じているなら、もう一度、黒夢を爆音で聴いてみてくれ。そこには、時代を超えて突き刺さる、剥き出しのロックンロールの魂が、今も確かに雄叫びを上げているはずだからよ。

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